ブログ・コラム
2025.05.21
快眠できる寝室のつくり方|寝室設計で変わる暮らしの質、天井高さ・照明・間取りで暮らしと睡眠の質を整える家づくり。
- カテゴリ:
- 過ごし方、暮らし方、生活環境と間取り
快眠のための寝室設計、
天井・照明・間取りでつくる
心地よい眠りの環境。
※ 住まい手それぞれの感性に寄り添いながらの提案でホテルライクな上質感と暮らしやすさを両立した設計が心地よい毎日の睡眠を支えます。
人は過ごす環境によって、
心身の状態も大きく変化します。
特に「睡眠の質」は、
心の安定や体調の改善にも直結する
重要なテーマです。
□関連blog
眠れない夜を解決する家づくり睡眠不足を解消する間取りと快眠寝室設計の工夫。
https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail511.html
SNSやメディアでも「快眠グッズ」
「睡眠の質を上げる方法」といった話題が
注目される中で、
住まいを設計する建築家として
提案できることは何か?。
それは住まいの中に
眠るための環境を丁寧につくること。
「快眠を叶える寝室設計」について、
住まい造りに携わる建築家の視点から、
建築設計的なアプローチで
少し書いてみたいと思います。
寝室は「安心感」をデザインする場所。
私たちが「落ち着く」と感じる空間には、
ある共通の特徴があります。
それは「囲まれ感」と「適度な閉鎖性」。
たとえば子どもが押入れや
テントなど狭い場所を好むように、
人は本能的に守られた空間に
安らぎを感じるものです。
この感覚を寝室に取り入れるなら、
「天井の高さをやや抑える」という
工夫が有効です。
寝室では立ち歩くよりも
横になる時間が長いため、
横方向の広ささえ確保できれば、
天井はあえて低めに設計することで
包まれるような安心感が生まれます。
高天井=開放感が心地よいとされる
リビングやその他の部屋とは対照的に、
寝室は「閉じる」「静かに包まれる」感覚を
優先した設計が、
深い眠りへの近道となります。
おそらく皆さんもそういう経験を
ホテルや旅館などで味わったことも
あるかと思います。
照明計画で「日が沈むようなやすらぎ」を演出
照明の選び方ひとつでも、
眠りの質は変わります。
近年注目されているのが、
「ヒューマンセントリック照明」という考え方。
これは人の生活リズムに寄り添う照明」を意味し、
夕暮れから夜へと
自然に移行するような
光環境を人工的に再現する方法です。
照明計画案も間取りや室内空間の
イメージパースと共に設計していますが
様々な考え方を考慮するうえで
提案する事が多いのは、
電球色の間接照明を中心とした設計。
LED照明の特徴を考えて
光の明るさも調整できるように
調光機能を中心に・・・・・・。
ろうそくのような
温かみのある光で壁面を照らし、
天井に向けてぼんやりとした
光のグラデーションを描く。
天井に明るさのピークをつくらず、
視線を下げるような設計にすることで、
自然と瞼が重くなるような
空間になります。
特におすすめなのが、
ベッドサイドの低めの
間接照明+足元灯の組み合わせ。
天井からの直接照明はあえて外し、
「眠るための照明」として設計することで、
日常がホテルライクな
リラックスタイムへと変わります。
寝室の方角や位置は「暮らし方」に合わせて。
寝室はどの方角にすべきですか?
という質問をいただく事もあります。
確かに、
朝日が入る東側に配置すれば、
朝自然に目が覚める
サーカディアンリズム(体内時計)が
整いやすいといった
メリットもあります。
ただし、
重要なのは「暮らし方」と「生活リズム」です。
夜勤のあるご家族がいらっしゃる場合は、
寝室を静かな場所に配置したり、
廊下の動線から
外した配置にすることで、
お互いにストレスの少ない
生活が実現できます。
また、
子ども部屋との距離感や
生活音の影響も配慮したいポイント。
寝室の前を通る必要のない配置、
ドアや壁の遮音性なども
快眠設計には欠かせません。
つまり、
寝室の配置は「間取りの中での孤立性」を
意識しながら、
家族の生活リズムに
フィットさせることが最優先なのです。
季節の影響を受けにくい
空調の仕組みも忘れずに・・・・・。
睡眠の質を大きく左右するのが「温熱環境」。
私たちが寝ている間も、
外気の変化や断熱・気密性能によって
室温は変動し続けます。
これを意識せずに
空調を調整していると、
「寒くて目が覚める」
「エアコンが効きすぎて喉が乾燥する」
といった不快な状態に。
理想は、
季節を問わず「薄手の寝具一枚」で
朝まで快適に眠れる室温を保つこと。
そのためには、
以下の要素を設計段階から
しっかり組み込む必要があります。
- 高断熱・高気密の建物性能
- 寝室の窓の配置と遮光性能
- 空気の流れをつくる換気設計
- 吹き出し口やエアコンの位置調整
やまぐち建築設計室では、
目に見えない「室内環境の質」まで
丁寧にデザインしています。
数字で判断するデジタル
という意味ではなくて
人の感覚に寄り添うアナログ的な質の良さ。
眠りの設計は「暮らしそのもの」の
質を左右する。
快眠は、毎日の生活の土台です。
ただベッドを置くだけではなく、
空間全体で「安心」「心地よさ」「リズム」を
整えていくこと。
住まいと暮らしの設計を行う建築家として
提案したい「質よく眠るための空間設計」です。
奈良の風土、家族の暮らし、
そしてあなたの
睡眠スタイルに合わせた「心地よい寝室」。
やまぐち建築設計室では、
見えない部分にこそ価値を宿す
暮らしの設計を
一邸一邸丁寧にオーダーメイドで
提案しています。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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