ブログ・コラム
2025.05.20
家事室のある家が暮らしを変える、共働き・子育て世帯に贈る、効率・収納・暮らしやすさと自分時間を叶える理想の間取り設計提案
- カテゴリ:
- 間取り・動線・家事・プラン
日常の暮らしを支える「家事時間」を、
心地よく整える設計の工夫。
※白を基調に黒のワークトップとオープン棚が映える空間にはランドリーとワークスペースを兼ねた効率的な間取り住宅の設計事例
皆さんは、家の中で過ごす「家事の時間」を
どのように感じていらっしゃいますか?。
キッチンでの料理、洗濯、掃除、
アイロンがけなど、
日々の家事は暮らしのリズムを
形づくる大切な営みです。
しかし、それがストレスや
負担になってしまえば、
本来大切にしたい家族の時間や自分らしさが
削られてしまうことにも繋がります。
だからこそ、
「暮らしに寄り添う家事空間の設計」が、
住まいづくりの鍵となります。
やまぐち建築設計室では、
住まい手のライフスタイルを考慮しつつ
暮らし全体に関して
住まいの設計を行っています。
その中でも近年ご相談が増えているのが
「家事室」の導入。
家事室という名称が
適切なのかどうなのかという考え方もあり
僕自身はその都度
「住まい手さんの価値観と感性」を考えて
部屋名も提案させていただきますが、
今回は「共通言語」として「家事室」という
名称を使います。
単なる作業場ではなく、
暮らしの質を高める「機能美」空間として
考えているからです。
今回は、
暮らしのシーンとと実用性を両立した
家事室の考え方や設計手法を、
生活と暮らしを設計する
建築家の視点から書いてみたいと思います。
家事室のある暮らしの価値。
家事効率の向上で
時間にゆとりを・・・・・。
毎日の家事は、
暮らしの中で一定の時間を占める
大切な作業です。
その中でも「移動」が多いことが、
見えないストレスとなって
蓄積されていきます。
例えば、
洗濯機と干し場が離れていたり、
アイロンをかける場所が定まっていなかったりと、
家中を行ったり来たりすることに
疲れてしまう方も少なくありません。
家事室を設けることで、
こうした移動のロスを最小限に抑え、
作業をスムーズにつなげる動線が実現します。
・ランドリールームと一体化すれば、
「洗濯→乾燥→畳む→収納」の一連の流れを一箇所で完結。
・キッチンやパントリーと連携することで、
「調理→後片付け→ゴミ出し」までが効率的に。
日々の中で繰り返される作業だからこそ、
流れるように家事が進むことの価値は
非常に大きく、
時間にゆとりが生まれ、
心の余白にも繋がります。
生活感を抑えて、美しい住空間を維持。
家事室は生活感を整理し、
暮らしの見た目を整える空間でもあります。
リビングやダイニングに物が散らかりがちなのは、
収納の導線や仕組みが
整っていないからというケースが
多いかと思います。
専用の家事室を設け、
間取りでの繋がりを工夫する設計を行う事で
そこに掃除用品、日用品、洗剤類、
アイロン台、ストック品などを
集約することで、
他の生活空間の「雑多さ」を
大きく軽減することも可能になりますできます。
・可視化収納と隠す収納のバランスを取り、
空間にメリハリを。
・家族の誰もが使いやすい配置と高さで、
家事の分担もしやすく。
さらに、
室内干しスペースを確保することで、
梅雨や冬場でも見栄えを損なわずに
洗濯が可能になります。
見えないけれど暮らしに効いてくる家事室は、
住まい全体の清潔感と
心地よさを底上げしてくれます。
家族の関係性を深める場としての可能性。
家事室は単なるバックヤード
ではありません。
時には家族が自然と集まる場にもなり得ます。
例えば、
・共働きの夫婦が並んでアイロンをかけながら会話を楽しむ
・子どもと一緒にエプロンを着けて手作りおやつの準備をする
・ちょっとした学習やパソコン作業ができるサブデスクとして活用する
家事室が持つ多用途性は、
間取り上のつなげ方、動線の考え方次第で
家族それぞれが自分のペースで
時間を使いながらも、
緩やかに共にいるという
距離感を実現してくれます。
これを僕は「緩やかな共有空間」と呼んでいます。
おしゃれで快適な家事室づくりの設計の工夫
- ランドリールームとの一体化設計
・洗濯機と乾燥機を並列または上下に配置し、動線を最小限に
・室内干し用の昇降式ポールを設置して天候に左右されない洗濯空間を
・衣類ごとの収納棚や、アイロン台付きの作業カウンターも設けると便利
特に共働き夫婦や小さな子供のいる家庭では、
時間を選ばず洗濯できることの
メリットは計り知れません。
- キッチン・パントリーと連携する間取り
キッチンから数歩でアクセスできる場所に
家事室を配置することで家事全体の効率が飛躍的に向上します。
・パントリーを介して家事室へとつながるスムーズな動線
・食材や日用品のストック管理を兼ねた収納棚も併設可能
・ゴミ箱や分別スペースも隠せる構成にすることで生活感を削減
見せる場所と隠す場所を切り替えられる
動線設計が、上質な暮らしを支えます。
- ワークスペースとの融合
・造作カウンターにPC作業や家計簿記入ができるスペースを組み込む
・照明はデスク用と全体照明を分けて、ON/OFFの切り替えがしやすいように
・静かな環境で集中できる「小さな書斎」としても重宝します
家事と仕事、育児の合間に
ほっとできる自分の時間を持てる場所。
それも家事室の持つ新たな役割です。
暮らす人にとって適切快適な
家事室にするための実践的アドバイス。
最適な広さと無駄のない動線設計
広すぎず狭すぎない事。
それぞれの暮らす人にとっての
最適なスペースをその都度機能的に考える。
動線は「くの字」や「回遊式」にすると、
複数人でもスムーズに使える。
物の配置は「使う順番」を意識して
構成するのがコツ。
収納と整理整頓のアイデア。
用途別の収納スペース
掃除用品、洗剤、リネン、雑貨などを明確に。
引き出し式の収納や可動棚で柔軟性を持たせる。
定期的な見直しができるように
余白を残した収納設計を。
インテリアと採光・換気対策
白やアースカラーを基調とした、
圧迫感のない内装が使い勝手も良くする。
小窓を設けて自然光を取り入れるだけで、
意識的な清潔感が倍増する。
湿気対策には、除湿機・通気窓
調湿性のある内装材の選定が必須。
日々の当たり前を、
暮らしの質へと変える空間・・・・・。
家事室は、
単に作業効率を追求するためだけの
空間ではありません。
そこには
暮らし方そのものを見直し、
整えるという大きな意味が宿ります。
日々の家事が楽になり、
生活感が整理され、
家族の距離が心地よく保たれる。
そんな空間を、
家の中に一つ設けるだけで、
暮らしのリズムが大きく変わります。
やまぐち建築設計室では、
住まい手一人ひとりの「理想の暮らし」を
丁寧にヒアリングし、
その想いを建築的にかたちにしていきます。
家事のための部屋ではなく、
暮らしの質を高める場としての家事室を、
あなたの住まいにも取り入れてみませんか?。
やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/
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