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ブログ・コラム

2025.05.10

動物病院の開業・設計ガイド・未来を診る設計、命をつなぐ空間、動物病院という建築のかたちと役割。

カテゴリ:
動物病院開業の注意点と計画性を考えた設計提案

 

 

未来の動物医療空間を

創造するように。

 

 

奈良県橿原市で動物病院と住宅を兼ねた店舗併用住宅の設計図。やまぐち建築設計室による開業支援プランの一例。

※動物病院・(一階店舗・二階自宅の店舗付き住宅プラン)間取り提案資料

 

 

やまぐち建築設計室が考える

「動物病院という建築」。

 

開業をかたちにする

設計とデザイン。

 

「存在が地域に与えるもの」

 

犬や猫、ウサギ、小鳥、

そして時には

爬虫類やハムスターまで。

 

現代における

「家族の一員」としての

動物たち。

 

その命と健康を守る場所、

それが動物病院です。

 

しかし、

動物病院は単なる

診療の場ではありません。

 

飼い主の不安を和らげ、

スタッフの働きやすさを支え、

そしてなにより、

動物たちが

できる限りストレスを少なく

過ごせるように

配慮された

空間でなければなりません。

 

これまで

住宅設計から店舗設計、

そして医療・福祉施設に至るまで、

多彩な建築設計を

手がけてきました。

 

過去の住まい手さんに

現役の獣医師も

居るという事もあり、

その方との協働が

可能という事で

動物病院の

ご相談をお受けする事も

あります。

 

そういった

ご相談も時々いただくので、

今回は動物病院の

開業をお考えの方に向け、

設計・デザイン

そして開業準備における

注意点などを、

建物を設計する

建築家の視点からお伝えいたします。

 

動物病院の設計とは何か?。

空間が治療を

助けるという視点・・・。

 

動物病院の設計において

最も大切なのは、

誰のための空間なのか

という問いに

常に立ち返ることです。

 

人間の病院と違い、

来院する「患者」は

言葉を話すことができず、

環境の変化に敏感です。

 

そのため、

空間そのものが

「治療の一部」であることが

望ましいという事です。

 

●待合室の設計
犬と猫、

さらには小動物が

同じ限られた空間にいることは

場合によっては

ストレスの原因にもなります。

 

そのため、

分離型待合室を

採用することも重要です。

 

また、

木材や漆喰など

自然素材を用いた壁材や

床材を使用することで、

視覚的にも聴覚的にも

安心できる空間が

演出できます。

 

●動線計画とゾーニング
獣医師・看護師

受付スタッフの動線が

複雑に交錯しない設計は、

業務効率だけでなく

感染症対策にも寄与します。

 

診察室・検査室・手術室

入院室へと無理なく

移動できるレイアウトが

求められます。

 

●手術室と入院室の隔離
動物ごとの感染症リスクを考慮し、

犬猫の入院室は完全に分離し、

音と臭いが干渉しない

設計が理想です。

 

近年では

空調管理システムと

脱臭装置の導入も

一般的になっています。

 

●自然素材の持つ力
木の温もり、和紙の柔らかさ、

石材の重厚感。

 

これらの素材がもたらす

心理的安心感は、

動物にも飼い主にも

穏やかな空間体験を提供します。

 

開業時に気をつけたいポイント
1.    法規制と行政手続き
動物病院の設置には、

獣医師法や保健所の指導に基づく

手続きが必要です。

 

また、建築基準法・消防法

都市計画法や

各種条例に基づいた設計が

前提となります。

 

2.    事業計画と資金調達
初期投資には、

建築費、医療機器、

スタッフの人件費が含まれます。

 

金融機関や

日本政策金融公庫、

自治体の補助金制度を

活用することも

視野に入れることも重要です。

 

3.    立地と敷地選定
駐車場の確保や、

アクセスの良さ、

動物の搬送動線など、

敷地条件が

診療に大きく影響します。

 

郊外型、

都市型いずれにおいても

計画初期の段階から

地域性を考えたうえで

慎重な検討が必要です。

 

動物病院併用の

住宅計画という考え方も

緊急時や普段の運営の視点から

付加価値となる

ケースもあります。

 

4.    スタッフの動きと働きやすさ
バックヤードの考え方や

動線が悪いと、

ストレスやミスが

生じやすくなります。

 

スタッフが

スムーズに業務を行える環境は、

診療の質にも直結します。

 

5.    今後の拡張性
開業当初は小規模でも、

数年後には

診療科を増やすというケースもあります。

 

将来的な増築・増員を見据えた

柔軟な設計計画が

重要です。

 

開業はゴールではなく、

スタート地点です。

 

初期の構想段階から

開業後の運営まで、

様々な視点が重要です。

 

飼い主の家族としての動物と

人をつなぐ空間を。

 

動物病院は、

命を扱う場であり、

同時に地域とのつながりを

築く大切な存在です。

 

だからこそ、

建物の設計には

「機能性」だけでなく

「思想」と「哲学」が必要です。

 

開業の際には

建築という手段で支え、

地域に愛される

動物病院づくりをと思います。

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
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気軽にご連絡ください
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