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ブログ・コラム

2025.04.29

軒が紡ぐ陰影と調和|和モダンな暮らしを育む長寿命住宅のつくり方|奈良の四季に寄り添う美しい家

カテゴリ:
設計の事・デザインの事

建物の外観と印象、

そしてメンテナンスや

建物の寿命にも関係する

軒のある家の魅力。

家づくりを考えるとき、
屋根や外観デザインに

目を奪われがちですが、
実は"屋根に付随する軒の出"こそが、
住まいの快適さと

長寿命化を大きく左右する

要素だったりします。

 

 

数寄屋の家をイメージした和風住宅外観、設計時には旅館のようなイメージも打ち合わせ

 

数寄屋をイメージした門屋を持つ和風住宅の外観



軒が生み出す美しい陰影、
自然と共生する知恵、
そして外壁や窓を守る機能性。

日本の気候風土に適応した

この設計思想を、
現代の家づくりにも

積極的に

取り入れるべきではないでしょうか?

 

芝生の広い庭で見渡しやすい風景のデザインを提案して和風の粋を愉しむ外観に日本瓦と軒の出のバランスで数寄屋の心地良さを提案設計

 

広大な芝生の庭に数寄屋をイメージした軒の深い和風住宅の外観提案

 

 

奈良県を拠点に、
住まう人に寄り添った

家づくりを追求している
建築家の立場から、
軒のある家の本当の魅力と、
後悔しない

家づくりのためのポイントを
少しだけ

書いてみたいと思います。

 

夜の味わいに和の風情を楽しむ数寄屋の印象が心地よい外観のデザイン提案

※夜になると和の情緒ある風景と佇まいが出現する屋根と軒の存在感

 

 

軒の深い和風住宅ならではの繊細な心地よさを持つ情緒を提案

夜の時間に和の陰影を生み出す軒の深さによる風景と佇まい

 

 

軒とは?

庇との違いを正しく理解する。
「軒(のき)」とは、
屋根が外壁より

外にせり出している部分を指します。

 

この出っ張りが、
雨や紫外線から建物を守り、
住まい全体の

耐久性を高めてくれます。

これに対して「庇(ひさし)」は、
窓や玄関など

特定の開口部の上に設けられる
小規模な屋根であり、
建物全体を守る軒とは

役割が異なります。

軒はただのデザインではなく、
住まいを健やかに

長持ちさせるために

不可欠な存在です。

 

軒あり住宅の魅力を
1.
建物の保護性能
軒の最大の役割は、
外壁や窓を雨風や

強烈な紫外線から守ること。

これにより、
外壁材の色褪せや

劣化を大幅に防ぐことができ、

長期的な

メンテナンスコスト削減に

もつながります。

例として、
外壁塗装の再施工周期を、
軒なし住宅が約10年に対して、
軒あり住宅では15年に

延ばせるケースもあります。
これは大きな違いです。

2.
快適な室内環境
軒は、季節に応じた

自然エネルギーの利用を助けます。

 

夏には強い日差しを遮り、

室内温度の上昇を防ぐ

 

冬には低い角度の太陽光を

室内に取り込み、

自然な暖房効果を得る

 

結果として冷暖房コストを削減でき、
環境にも家計にも

優しい暮らしが実現します。

3.
美しい外観と日本建築の伝統
深い軒の出は、

日本建築特有の陰影を生み出し、
建物に落ち着きと

品格を与えます。


四季の移ろいを感じる

空間づくりにも寄与し、
住まいに豊かな表情を

もたらしてくれます。

4.
雨の日も快適な暮らし
玄関先で傘をたたむときに

濡れずに済んだり、
窓を少し開けて

換気しても雨が吹き込まないなど、
暮らしの小さなストレスを

減らす効果も見逃せません。
 
 
 
軒あり住宅のデザインバリエーション
軒のある家といっても、

そのスタイルは実に多様です。


伝統的な日本家屋だけでなく、
現代的なデザイン住宅にも

軒を取り入れることができます。

 

1. モダン和風住宅
現代の生活スタイルに合わせつつ、
日本の伝統美を受け継ぐデザイン。
軒の出を活かしながら、
シンプルで落ち着きのある

外観に仕上げます。

和モダンを意識したオシャレなタイル張りの高級住宅デザイン・奈良県磯城郡田原本町の家

※和を意識する仕上げを施しつつもモダンに仕上げた数寄屋を意識した住まいの外観

 

和を意識した数寄屋風に仕上げつつも洋のエッセンスを持たせたタイル張りの外観と佇まいを持つ家

 

 

2. 南欧風
オレンジ系の瓦屋根と

白壁を組み合わせたデザインに、
深い軒を組み合わせることで、
エレガントで快適な住まいに。
南欧の気候にも似た

日本の夏を快適に乗り切る工夫が

詰まっています。

南欧風のデザインを施したcafeの外観デザイン設計

※住宅ではなくてcafeデザイン案件・心地よい時間を過ごす為の入り口としての外観提案

 

オシャレで心地よさを味わう外観として提案した南欧風カフェデザイン

※住宅ではなくてcafeデザイン案件・心地よい時間を過ごす為の入り口としての外観提案

 

 

3. シンプルモダン住宅
シャープなラインを活かしながら、
最小限の軒を設けることで、
機能性とデザイン性を両立。
軒の深さを計算し、
スタイリッシュさを

損なわずに

暮らしやすさも確保します。

奈良県宇陀市に佇むモダンな外観を意識したシンプルモダンなビルトインガレージのある家

※奈良県の郊外に佇むシンプルモダンなビルトインガレージのある家・日差しの角度を考慮して建物を配置しています

 

オシャレでシンプルモダンな外観を持つインナーガレージのある家

※夜になるとモダンな佇まいを柔らかく建物全体を包み込むプラン設計に

 

理想的な軒の設計とは?
軒を単に「付ける」だけではなく、
その出幅や高さ、

角度なども非常に重要です。


設計段階で以下の

ポイントを考えておくことは大切です。
出幅(軒の長さ)
理想は90cm前後。
これにより、
夏至には直射日光をカットし、
冬至には室内に

太陽光を取り込めます。


軒の高さ
1
階部分と2階部分で

適切な高さを設定することで、
日射遮蔽効果を最大化できます。


軒先のデザイン
直線的なラインにするか、
緩やかな曲線を描くかによって、
建物の印象が大きく変わります。


全体のデザインコンセプトに

合わせた選択が必要です。

 

奈良県における

軒あり住宅の重要性。


奈良県は四季がはっきりしており、
特に夏は蒸し暑く、
冬は冷え込みが厳しい地域です。
こうした気候条件を考えると、
軒のある住宅は

非常に理にかなった選択と言えます。

 

〇夏の強い日差しを遮り、

 室内の温度上昇を防ぐ

 

〇冬は陽だまり効果を活かして

自然な暖かさを取り入れる

 

〇雨の多い梅雨時期にも

外壁や窓をしっかり守る

 

奈良の風土に適した

設計を行うことが、
長く快適に住まうための

ポイントです。

 

すまいづくりで考える""の未来

 

単なる伝統の踏襲ではなく、
現代のライフスタイルに

合わせた
新しい""のあり方を

提案しています。

 

自然と共生しながら、
時代の空気を取り入れた住まい。

 

軒はその象徴であり、
未来へつなぐ大切な

デザイン要素だと考えています。

  • パッシブデザインとの融合
  • 耐久性とデザイン性の両立
  • メンテナンスコストの最適化

こうした視点から、
あなたにとって

本当に価値ある
住まいづくりをお手伝いします。


軒のある家は、
美しさと機能性を

兼ね備えた、
日本人の暮らし

最適な住まい方です。

 

単なる流行に流されず、
長く快適に、

そして誇りを持って
住み続けられる

家づくりを目指して、
ぜひ""の魅力を

再発見してみてください。

 

 

やまぐち建築設計室は
その家に暮らす家族の過ごし方を
デザインする設計事務所です。
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