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ブログ・コラム

2026.11.03

親との同居は安心。でも、暮らしに気を遣いすぎたくない。奈良で考える二世帯住宅の間取りと心地よい距離感の設計提案。

カテゴリ:
二世帯住宅の間取りと暮らし方

親との同居は安心。

でも、暮らしに気を遣いすぎたくない。

 

奈良で考える

二世帯住宅の間取りと心地よい距離感について。

 

 

中庭を囲む二世帯住宅をイメージした、ホテルライクな和モダン住宅のリビングCG。大開口の窓からアオダモなどの緑と自然光を取り込み、木質天井や間接照明、上質なソファで落ち着いた空間を演出。親世帯と子世帯が適度な距離感を保ちながら、庭を介してつながる暮らしを表現した住空間。

※親と近くに暮らす安心感も夫婦だけの穏やかな時間も。

 緑あふれる中庭を介して、

 二つの世帯が心地よくつながるように。

 お互いの暮らしを尊重する、

 上質な二世帯住宅のカタチと環境の設計提案事例。

 

 

親が年齢を重ねてきたことを考えると、

近くで暮らせた方が安心。

 

子どもの成長を、

一緒に見守ってもらえることもうれしい。

 

けれど、いざ二世帯住宅を考え始めると、

少し気になることが出てきませんか?

 

生活時間が違っても、

お互いに気を遣わずに暮らせるだろうか?

 

休日くらいは、

夫婦だけでゆっくり過ごしたい・・・。

 

親とは仲が良いけれど、

毎日の食事まで一緒でなくてもいい。

 

親を大切にしたい気持ちと、

自分たちらしい暮らしを守りたい気持ち。

 

そのどちらも自然な思いだと考えます。

 

二世帯住宅で大切なのは、

家族が一緒に暮らすことだけではありません。

 

一緒にいたいときには自然に集まり、

それぞれの時間も気兼ねなく過ごせること。

 

そんな住まいのあり方について、

実際に二世帯住宅に住み、

二世帯住宅の設計を行っている

建築家の視点から考えてみたいと思います。

 

二世帯住宅を選ぶ人は、

どんなことを考えているのでしょうか?

 

2026年7月に公表されたLIXIL住宅研究所の調査によると、

現在親と同居している人の80.2%が、

その暮らしに満足していると回答しています。

 

一方、現在別居している人が

二世帯住宅について心配することの第1位は、

生活リズムや生活スタイルの違いによる

ストレスでした。

 

また、

完全分離型の二世帯住宅を理想とする人は

56.8%という結果でした。

 

※出典:LIXIL住宅研究所「二世帯住宅に関する調査レポート」2026年7月17日公表。20〜40代の既婚男女400人を対象とした調査。

 

こうした結果からも、

親との同居に魅力を感じながら、

自分たちの生活の自由も

大切にしたいという思いがうかがえます。

 

二世帯住宅は、

親世帯と子世帯の二つの暮らしを、

一つの建物の中で考える住まいです。

 

だからこそ、

一般的な単世帯の注文住宅以上に、

生活習慣や家族関係への理解が

求められると考えています。

 

二世帯住宅には、

どのような間取りがあるのでしょうか?

 

二世帯住宅は、

大きく分けると

「完全同居型」「一部共有型」「完全分離型」の三つに

分類ができると考えています。

 

しかし、実際の設計では、

それだけで間取りを検討する事はできません。

 

上下階で世帯を分けるのか、

左右に分けるのか。

 

玄関は共有して、

キッチンや浴室を分けるのか。

 

それとも、

すべての生活空間を独立させるのか。

 

同じ二世帯住宅でも、

その組み合わせ内容によって

日々の暮らしは大きく変わります。

 

二世帯住宅では、玄関やキッチン、

水回りをどこまで共有するかによって、

毎日の暮らし方が大きく変わります。

間取りを決める前に考えておきたいことや、

親世帯と子世帯が

心地よく暮らすための設計の工夫については、

こちらの記事でも詳しくご紹介しています。

関連記事: 奈良で二世帯住宅を建てる人が最初に考えるべきこと|後悔しない間取り・距離感・暮らし方の考え方

https://www.y-kenchiku.jp/blog_detail901.html?utm_source=chatgpt.com

 

 

① 完全同居型|一緒に過ごす時間を大切にする住まい

玄関、LDK、キッチン、浴室などを共有し、

それぞれの寝室や個室を設ける住まい方です。

 

設備を共用するため、

二組ずつ設ける場合と比べて

建築面積や設備費用を

抑えられる可能性があります。

 

家族が自然に顔を合わせ、

家事や子育てを協力しやすいことも魅力です。

 

一方で、食事の時間、テレビの音、

冷暖房の好み、来客の頻度など、

暮らしの細かな違いが気になることもあります。

 

仲の良い家族であっても、

いつも一緒にいたいとは限りません。

 

完全同居型では、寝室だけではなく、

それぞれが一人でくつろげる

小さな居場所を設けることも大切です。

 

② 一部共有型|つながりと独立性を両立する住まい

玄関は一つにして、

LDKやキッチン、

浴室などを世帯ごとに設ける。

 

あるいは、キッチンは分けて

浴室だけを共有する。

 

このように、

共有する場所を家族の暮らし方に合わせて

選ぶ方法です。

 

例えば、玄関は共有しても、

その先で親世帯と子世帯の生活動線を分ければ、

それぞれの生活時間を尊重しやすくなります。

 

ただし、玄関を共有する場合は、

帰宅時間や来客、靴の収納、

宅配便への対応なども

考えておきたいところです。

 

キッチンを分けても、

洗濯の場所が一つであれば、

洗濯物の扱いや

使用時間に気を遣うかもしれません。

 

どこを共有するかだけでなく、

共有することで

誰に負担が生まれるのか?

そこまで考えることが、

住み始めてからの心地よさにつながります。

 

③ 完全分離型|それぞれの暮らしを尊重する住まい

玄関、LDK、キッチン、浴室、

トイレなどを世帯ごとに設ける方法です。

 

同じ建物に住みながら、

それぞれが独立した生活を

送りやすくなります。

 

帰宅時間が遅い共働きのご夫婦や、

生活リズムの異なる親世帯との同居にも

適した選択肢です。

 

ただし、設備や配管が増えるため、

建築費や維持管理費が

大きくなりやすいことには注意が必要です。

 

また、完全に分離することで

日常の交流が少なくなる場合もあります。

 

中庭や庭、

屋外のテラスなどを介して、

必要なときに自然に

顔を合わせられるような設計も考えられます。

 

大切なのは、

分離すること自体を目的にしないことです。

 

上下階で分けるか、左右で分けるか。

建築家として考えること

 

1階を親世帯、2階を子世帯にする場合

敷地を有効活用しやすく、

親世帯が階段を使わずに

生活できる間取りを計画しやすい方法です。

 

一方、注意したいのは上下階の生活音です。

子どもが走る音、

椅子を引く音、深夜の入浴や洗濯など。

 

床を介して伝わる音は、

家族だからこそ気になることがあります。

 

床の遮音計画に加え、

2階の水回りや子ども室を、

1階の寝室の真上に配置しないなどの

工夫が考えられます。

 

ただし、遮音性能は床構造や

配管の納まりによって異なり、

間取りだけで十分に解決できるとは限りません。

 

将来、子世帯が1階を使う可能性も含め、

階段や水回りの位置を考えることが重要です。

 

建物を左右に分ける場合

親世帯と子世帯の生活空間を、

水平方向に分ける方法です。

 

それぞれが1階にLDKを持つ計画も可能で、

上下階の足音を気にする問題は

比較的少なくなります。

 

一方で、建物の間口や

敷地の広さが必要になることもあります。

 

また、隣り合う壁を通して

テレビの音や生活音が伝わる場合があるため、

寝室とLDKの位置関係、

界壁の遮音などへの配慮が欠かせません。

 

敷地に余裕があれば、

小さな中庭や庭を挟んで

二つの世帯をつなぐ方法もあります。

 

外からの視線を抑えながら、

お互いの気配を感じられる住まい。

 

こうした空間のつくり方は、

二世帯住宅にも生かせると考えています。

 

夫の両親と暮らす場合、妻の両親と暮らす場合

二世帯住宅を考える際には、

誰の親と暮らすのかも大切な要素です。

 

ただし、家族の関係性は一人ひとり異なります。

夫の親だから、妻の親だからと、

間取りの正解を決めることはできません。

 

例えば、夫の両親と同居する場合。

子世帯の妻が、

キッチンを使う時間や

家事の進め方について、

気を遣うことがあるかもしれません。

 

反対に妻の両親と同居する場合には、

子世帯の夫が、

自分だけの居場所を

持ちにくいと感じることも考えられます。

 

もちろん、その逆もあります。

 

大切なのは、

誰か一人が我慢することを前提にしないこと。

 

料理をする人、家事を担う人、

帰宅が遅い人、

一人の時間を必要とする人。

 

それぞれの立場から

暮らしを見つめ直すことが必要です。

 

親子の関係が良好であることと、

生活習慣が同じであることは別の話です。

 

だからこそ、

家族それぞれが本音を話せる

打ち合わせを大切にしたいと考えています。

 

二世帯住宅で見落としやすい、

暮らし方の約束事・・・・。

間取りだけでは解決できないこともあります。

 

例えば、

家族が突然部屋を訪ねてもよいのか。

食事は毎日一緒にするのか、

週末だけにするのか。

孫の世話を、

どの程度お願いするのか。

親世帯の友人が来るとき、

子世帯は気を遣わずに過ごせるのか。

光熱費、修繕費、庭の手入れは、

どのように分担するのか。

 

こうしたことは、

建築の図面には表れにくい部分です。

 

けれど、暮らし始めてからの

満足度に関わる大切なことでもあります。

 

最初から細かなルールで

縛る必要はありません。

 

お互いに

どのような暮らしを望んでいるのかを知り、

必要に応じて話し合える関係をつくること。

 

そのうえで、

気を遣わずに済む間取りを考えることが、

建築家の仕事の一つだと思います。

 

10年後、20年後の暮らしは、

今とは違っているかもしれません。

 

二世帯住宅を計画するとき、

現在の生活だけを

基準にしてしまうことがあります。

 

しかし、子どもはいずれ成長します。

親世帯の生活も変わります。

夫婦の働き方も、

年齢とともに変化するかもしれません。

 

将来、親世帯の住居部分を

夫婦の趣味室にする。

子どもたちが帰省した際の客間にする。

在宅ワークのための仕事場として活用する。

あるいは、

将来の生活に合わせて間取りを変更する。

 

そのような選択肢も考えられます。

 

ただし、将来的な転用や賃貸利用には、

建物の構造、法令、設備、

権利関係などの確認が必要です。

 

設計段階で考えておきたいのは、

今の暮らしに最適であることと、

将来の変化を妨げないことの両立です。

 

実家を建て替えるか、

リノベーションするかも大切な判断。

 

奈良で二世帯住宅を考える場合、

親世帯が所有する土地や

既存住宅を生かしたいという

相談もいただきます。

 

思い出のある家を残したい。

住み慣れた地域を離れたくない。

庭の木々や、

家族が過ごしてきた場所を大切にしたい。

そうした思いも、

住まいづくりの大切な出発点です。

 

既存住宅の状態によっては、

リノベーションによって

二世帯の暮らしを実現できる

可能性があります。

 

一方、耐震性、断熱性、階段の位置、

構造上動かせない壁、

給排水設備などの条件によっては、

建て替えが適していることもあります。

 

また、土地の所有、建築費の負担、

将来の相続についても、

家族間で早い段階から

整理しておきたいところです。

 

新築かリノベーションかを

先に決めるのではなく、

今ある住まいで

何が実現できるのかを確認する。

 

その判断から始めることも、

大切な住まいづくりだと考えています。

 

二世帯住宅は、

家族の距離感を設計する住まい。

親のそばで暮らせる安心感。

子育てや家事を助け合える心強さ。

一方で、自分たち夫婦の時間や、

一人でくつろぐ場所も大切にしたい。

そのどれかを諦める必要が

あるとは限りません。

 

近くにいるからこそ、

お互いを尊重する。

 

一緒に暮らすからこそ、

それぞれの時間を大切にする。

 

二世帯住宅に必要なのは、

単に部屋や設備を二つに分けることではなく、

家族の関係や暮らし方に合わせて、

つながりと独立性を

整えることだと考えています。

 

やまぐち建築設計室では、

間取りを考える前に、

そこで暮らす一人ひとりが、

どのような日常を望んでいるのかを

大切にしています。

 

家族の関係も、生活習慣も、

将来の希望も、それぞれ違うからです。

 

親を大切にすることと、

自分たちらしく暮らすこと。

その両方を大切にできる住まいを。

 

奈良県で二世帯住宅の新築、

実家の建て替え、

リノベーションを検討されている方へ。

 

玄関やキッチンを共有するべきか、

世帯を分けるべきか、

様々な想いがあるかと思います。

 

まずはご家族の暮らし方と、

これから大切にしたいことを

整理するところから、

丁寧な住まいづくりを考えてみませんか?

 

 

やまぐち建築設計室の予約制住まい造り相談のご案内

 

※新築・リフォーム・土地探しなど、

まだ考えがまとまっていない段階からご相談いただけます。

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奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

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