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ブログ・コラム

2026.10.26

心地よい家の答えは家族の数だけあるという事。|光・素材・暮らしの習慣から考える、建築家の住まいづくりと提案が持つ意味。

カテゴリ:
住まいと暮らしの設計思想

心地よい家は、

身体が知っているということ。

 

身体的感覚から派生する

心地よさの在り処を丁寧に考える暮らしの環境提案。

光・温度・素材・家族の距離感から考える、

建築家の設計思想。

 

グレージュを基調としたホテルライクな和モダン住宅のLDK設計イメージCG。木目の折り上げ天井と柔らかな間接照明、石調のキッチン、ゆったりとしたソファを配置。大開口の窓から自然光が差し込み、植栽豊かな中庭へと視線が広がる。光と陰影、素材の質感、家族の居場所を大切にした、心地よい注文住宅の空間デザイン。

※美しいだけでは満たされないということ。

 光の移ろい、素材の温もり、中庭の緑。

 身体が自然と心地よさを感じる、

 家族の暮らしから考えた和モダンの住まい提案実例。

 

家に帰って、

いつもの椅子に腰を下ろしたとき。

窓から庭の緑が見えたり、

足元に木の温もりを感じたり。

 

何か特別なことが起きたわけではないのに、

自然と気持ちが落ち着くことがあります。

 

反対に、

美しく整えられた空間であっても、

どこか居心地が悪く、

長く過ごしたいと思えないこともあります。

 

この違いは、

どこから生まれるのでしょうか?

 

私は、

住宅の設計を考えるうえで、

空間の美しさだけでなく、

そこで暮らす人の身体が何を感じ、

どのように動くのかを

大切にしています。

 

住宅は、

ただ眺めるためだけの

建築ではありません。

 

朝起きてから夜眠るまで、

人は住まいの中で身体を動かし、

さまざまな感覚を

受け取りながら生活しています。

 

だからこそ、

心地よい住まいを考えることは、

暮らす人の身体と日常を

理解することから始まるのだと思います。

 

心地よさは、

見た目だけでは決まらないということ。

 

人が空間を心地よいと感じる理由は、

一つではありません。

 

光の明るさや色合い、

室内の温度、音の響き方、

素材の手触り、周囲からの視線。

 

こうした環境の要素が、

私たちの感覚や気分、

行動に関わっています。

 

人の身体と

心理の関係を研究する「身体心理学」では、

姿勢や身体の動き、

呼吸、触覚などが、感情や心理状態と

相互に関係することが研究されています。

 

また「環境心理学」では、

建築や自然、周囲の環境が、

人の認知や感情、

行動にどのような影響を与えるのかを

考えます。

 

例えば、同じ広さのリビングでも、

外部からの視線が気になる場所と、

周囲を気にせず過ごせる場所では、

落ち着き方が異なるかもしれません。

 

窓から緑が見えることが

気分転換につながる場合もあれば、

外部の騒音や眩しさが気になり、

落ち着かない場合もあります。

 

ただし、心地よさの感じ方には

個人差があります。

 

開放的な空間を好む人もいれば、

少し囲まれた場所に

安心感を覚える人もいるかと思います。

 

つまり、

すべての人に共通する、

たった一つの

心地よい空間があるわけではありません。

 

建築家が考えるべきことは、

その人が

どのような環境で

自然体になれるのかを

理解することだと思っています。

 

建築家は、

家族の何を見て間取りを考えるのか?

 

住まいのご相談では、

最初に間取りや部屋数、

住宅の広さについて

お話を伺うことがあります。

 

しかし、それだけでは、

そのご家族の最適解となる

住まいを考えることはできません。

 

例えば、同じ四人家族でも、

朝の過ごし方は異なります。

 

家族全員が同じ時間に起きて

支度をするご家庭。

 

ご夫婦の勤務時間が異なり、

生活の時間帯がずれているご家庭。

 

お子さんの成長に合わせて、

食事や入浴の時間が

変化しているご家庭。

 

生活時間が異なれば、

洗面室や脱衣室、

収納の使い方も変わります。

 

そこで私は、

日々の生活の流れを

具体的にご相談しながら、

間取りを考えます。

 

それぞれの家族、

過ごしてきた環境で空間の持つ意味も

価値観も全く異なりますから・・・・・。

 

朝、誰が最初に起きるのか。

どこで着替えるのか。

洗濯物は、いつ、誰が、

どこで片付けるのか。

帰宅した後、

家族はどのような順序で行動するのか。

 

一つひとつは小さなことですが、

毎日繰り返される行動です。

 

この繰り返しの中に、

暮らしやすい間取りを考えるための

大切な手がかりがあります。

 

収納の広さよりも、

収納する場所を考えるということ。

 

例えば「収納をたくさん設けたい」というご希望。

私は、収納の面積を増やす前に、

何を、いつ、どこで使うのかを考えます。

 

帰宅したとき、

上着や鞄をどこに置くのか。

買い物から帰ったとき、

食材をどのように運ぶのか。

洗濯が終わった衣類は、

どこに収納するのか。

 

こうした行動と収納の位置が合っていなければ、

収納面積が十分でも、

日常の片付けが

負担になることがあります。

 

一方、使う場所と

収納する場所が自然につながっていれば、

無理なく片付けられる暮らしに近づきます。

 

玄関から手洗い、

ウォークインクローゼット

リビングへとつながる帰宅動線も、

その一例です。

 

ただし、すべてのご家庭に

同じ動線が適しているわけではありません。

 

家族の習慣や住宅の条件によって、

最適な配置や住まいの間取りや趣を含めた

環境設計に関する考え方は変わります。

 

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私は、単に移動距離の短い間取りではなく、

日常の動作に

余計な負担が生まれにくい間取りを

考えるようにしています。

 

家族の気配と、

一人で過ごす時間を両立させるということ。

家族のための家だからといって、

いつも家族全員が

一緒に過ごす必要はありません。

 

リビングで会話を楽しむ時間。

一人で本を読む時間。

仕事に集中する時間。

子どもが自分の部屋で過ごす時間。

 

同じ家族であっても、

心地よい距離感は、

そのときの気分や生活の場面によって

変わります。

 

環境心理学では、

人が他者との距離やプライバシーを

調整しようとする行動も研究されています。

 

住宅設計においても、

この考え方は重要だと感じています。

 

例えば、リビングの一角に設けた小さな居場所。

完全に独立した部屋ではなくても、

家具の配置や壁の位置、

視線の向きを工夫することで、

一人で落ち着いて過ごせる場所を

つくることができます。

 

反対に、家族が別々の場所にいても、

声や生活の気配が

自然に伝わる空間も考えられます。

 

大切なのは、

家族のつながりを強制しないことです。

 

一緒に過ごしたいときには自然に集まり、

一人になりたいときには、

それぞれの時間を大切にできる。

 

そんな距離感を、

間取りの中で考えることが重要だと

思っています。

 

光と陰影は、

暮らしの時間をデザインするということ。

住まいの心地よさを考えるうえで、

自然光は大切な要素の一つです。

 

朝、窓から差し込む柔らかな光。

日中、壁や床に落ちる木々の影。

夕暮れとともに、

少しずつ変わっていく室内の明るさ。

 

こうした光の変化は、

住まいの表情を豊かにしてくれます。

 

また、光は人の生活リズムとも

関係しています。

 

そのため、

私は窓を単に大きくするのではなく、

どの時間帯に、どの場所へ、

どのような光を届けたいのかを考えます。

 

例えば、

朝の時間を大切にするご家族であれば、

ダイニングに入る

朝の光を検討することがあります。

 

一方、夏の強い日差しが入りすぎる場所では、

軒の深さや窓の位置、

日射遮蔽の方法を考える必要があります。

 

明るければ明るいほど、

心地よいというわけではありません。

 

静かに過ごしたい場所では、

光を抑え、

落ち着いた陰影をつくることが

適している場合もあります。

 

和モダンの住まいに取り入れる

深い軒や障子、格子には、

こうした光の調整という役割もあります。

 

私は、

光と陰影を単なる演出としてではなく、

そこで過ごす時間の質を

考えるための設計要素として捉えています。

 

温度や音、素材の感触もデザインの一部。

住宅の快適さは、

目に見える部分だけでは決まりません。

 

例えば、冬の朝。

暖かな寝室から出たとき、

廊下や洗面室が極端に寒ければ、

毎日の暮らしに負担が生まれます。

 

室内の温熱環境を整えるためには、

断熱性能や気密性能、

窓の性能、

空調計画などを

総合的に考える必要があります。

 

美しい内装と、

適切な室内環境は、

別々に考えるものではありません。

 

どちらも住まいの質を支える

大切な要素です。

 

また、音の感じ方も暮らしに影響します。

家族の声が聞こえることに

安心する場面もあれば、

静かに仕事をしたい場面もあります。

 

寝室とリビングの位置関係、

扉の仕様、

吹抜けの有無などによって、

音の伝わり方は変わります。

 

素材についても同様です。

 

床に足を置いたときの感触。

手すりに触れたときの感覚。

椅子に座ったときの身体の納まり。

自然素材を採用すれば、

必ず心地よくなるわけではありません。

 

手入れのしやすさや耐久性、

ご家族の好みも含めて、

適切な素材を選ぶことが大切です。

 

住まいに、中庭や回廊を設ける理由。

住宅によっては、

中庭や回廊、格子、障子、

深い軒などを取り入れることがあります。

 

これらは、

日本の住まいが長い時間をかけて培ってきた、

空間のつくり方でもあります。

 

しかし、私は和の意匠を

取り入れること

自体を目的にはしていません。

 

例えば、中庭。

周囲の住宅からの視線を調整しながら、

室内に光や風景を

取り込むために設けることがあります。

 

リビングから中庭を眺めるだけでなく、

ダイニングや廊下、

玄関からも異なる景色が

見えるように考えることがあります。

 

同じ庭でも、

見る場所によって印象が変わる。

 

朝と夕方で、光の入り方が変わる。

季節によって、木々の表情が変わる。

そうした変化を、

日常の中で感じられることに

生活空間にも異なる魅力が生まれます。

 

回廊も、

単なる通路ではありません。

歩きながら庭を眺めたり、

障子越しの光を感じたり。

移動する時間そのものに、

豊かさを生み出すことができます。

 

もちろん、中庭や回廊には、

建築面積やコスト、

維持管理などの検討も必要です。

 

土地の条件によっては、

別の方法が適している場合もあります。

 

だからこそ、

形を先に決めるのではなく、

その空間がご家族の暮らしに

どのような価値をもたらすのかを

考えることが大切です。

 

その家族の生活文化を、住まいの形にする。

住宅を設計するとき、

私は家族構成だけでなく、

ご家族が大切にしている生活文化にも

目を向けたいと考えています。

 

例えば、食事を大切にするご家庭。

料理をつくる時間も、

家族で食卓を囲む時間も、

暮らしの中心になるかもしれません。

 

そのようなご家庭では、

キッチンの形やダイニングとの関係、

食器や調理道具の収納まで、

様々な時間の価値が生まれやすくなります。

 

一方、

休日に自宅で静かに過ごすことを

大切にしているご家庭であれば、

庭を眺める場所や、

読書を楽しむ場所が

重要になるかもしれません。

 

車を趣味としているご家族なら、

ガレージは単なる駐車スペースではなく、

日常の楽しみを支える場所にもなります。

 

また、親世帯と子世帯が

一緒に暮らす二世帯住宅では、

お互いの生活時間や

プライバシーをどのように

尊重するかが大切になります。

 

同じ屋根の下で暮らすことと、

常に同じ時間を

共有することは違います。

 

生活文化は、

住宅の広さや価格だけでは測れません。

 

何に時間を使いたいのか。

どのような習慣を大切にしたいのか。

どんなときに心地よさを感じるのか。

そのご家族にとっての

豊かさを理解することが、

住まいの形を考えるうえで

重要だと思っています。

 

建築家の仕事は、

希望を形にするだけではないということ。

住まい手さんから伺うご希望は、

住宅設計の大切な出発点です。

 

しかし、

希望をそのまま図面に並べることだけが、

建築家の仕事ではないと

考えています。

 

例えば「広いリビングが欲しい」というご希望。

その理由が、

家族でゆったり過ごしたい

ということであれば、

必ずしも床面積を

大きくすることだけが答えとは限りません。

 

窓からの視線の抜け方。

天井の高さの変化。

家具の配置。

隣接する庭との関係。

そうした工夫によって、

同じ面積でも空間の感じ方は変わります。

 

反対に、面積を確保しても、

家具の置き方が難しかったり、

外からの視線が気になったりすれば、

思い描いていた暮らしとは

異なるかもしれません。

 

私は、住まい手さんのご希望の背景にある、

本当に実現したい暮らしを

理解したいと思っています。

 

そして、土地の条件、建築予算、

性能、将来の暮らし方を考えながら、

理想と現実の中で、

そのご家族に適した答えを探していきます。

 

そこには、

建築家としての経験や技術だけでなく、

住まい手さんの言葉に

耳を傾ける姿勢も必要だと考えています。

 

家族のための家は、

毎日の心地よさから考える。

住まいは、

完成したときの美しさだけで

価値が決まるものではありません。

 

暮らし始めてから、

何年も、何十年も使い続ける場所です。

 

朝の支度がしやすいこと。

家族が自然に集まれること。

一人で過ごす時間も大切にできること。

季節の変化を感じられること。

暑さや寒さに悩まされにくいこと。

好きな家具や素材に囲まれて過ごせること。

 

こうした日常の

小さな心地よさを積み重ねることが、

住まいへの愛着に

つながっていくのではないでしょうか?

 

私は、住宅のデザインを、

外観やインテリアを

美しく整えることだけだとは

考えていません。

 

人の身体の動きや感覚、

家族の関係、

生活の習慣まで含めて、

暮らしの環境を整えること。

 

それも、建築家が担う大切な

デザインの一つだと思っています。

 

美しい住まいであること。

機能的であること。

そして、そのご家族が

自然体で暮らせること。

 

そのすべてを、

できる限り丁寧に考えたいと

思っています。

 

奈良で、これからの暮らしを考えている方へ。

新築の注文住宅を建てることも、

今ある住まいを

リフォーム・リノベーションすることも、

ご家族の暮らしを見つめ直す

機会になります。

 

どのような間取りにしたいのか。

どのようなデザインが好きなのか。

どんな設備を取り入れたいのか。

 

そうした希望と同じくらい、

これからどのような毎日を

過ごしたいのかということも、

大切にしていただきたいと思います。

 

やまぐち建築設計室では、

和モダンの注文住宅、

平屋、中庭のある家、二世帯住宅、

リフォーム・リノベーションなどの

設計を行っています。

 

住まいのご相談では、

ご希望の間取りやデザインだけでなく、

現在の暮らし方や、

ご家族の生活習慣、

これから大切にしたい時間についても

お話を伺っています。

 

まだ住まいのイメージが

決まっていない段階でも構いません。

ご家族にとって、

どのような住まいが心地よいのか?

その最適解を、

考えるところから住まいづくりを丁寧に。

 

 

 

やまぐち建築設計室の予約制住まい造り相談のご案内

 

※新築・リフォーム・土地探しなど、

まだ考えがまとまっていない段階からご相談いただけます。

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■やまぐち建築設計室■
奈良県橿原市縄手町387-4(1階)
  建築家 山口哲央
https://www.y-kenchiku.jp/

住まいの設計、デザインのご相談は
ホームページのお問合わせから
ご連絡ください

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